ただ風を感じて

いつからから遠くなってしまったんだろう

 

川のせせらぎかと思わせる

 

木々の躍動と、木枯らしが葉を打ち鳴らすこの音が

 

こんなにも近くにあるというのに

 

あの頃のような感動よりも

 

胸の真ん中がさすように痛みが染みる

 

これは季節がもたらす病

 

そう信じてこれたのが私だったのに

 

この木枯らしが運ぶもの悲しさを

 

胸の真ん中で噛みしめてきたのに

 

今の私は噛みしめるだけでは飽き足らずに

 

苦しみと虚しさを自分に逆立てて貫かせている

 

木々のさえずりとそのしなやかさは

 

昔よりも遠くにあるようだった

 

ああ

 

私は後悔しているのだと

 

今更気づくのだ